15 Mar 2015

“おまけ”とラッピング。



「これ、おまけね。」

と言って、アメ玉を1つだけポンと袋に入れてくれたり、
キラキラ光るステッカーを一枚余分にひょいっと足してくれたり、
花を買ったら帰り際にガーベラを一輪だけそっと手渡してくれたり、

そんな何気ないコトでその日がとてもラッキーな日に感じることがある。

“おまけ”がもたらす喜び。
嬉しい不意打ちはまるで流れ星を見た時と同じ気持ち。
それはいつも思ってもいない品物で
必ずしも自分が求めているものではないけれど、
一瞬にして何か特別で素敵なギフトに変わることもある。


今週はこんな思いに少し浸っていたような、、
そして少し疲労困憊気味。
だって、あらゆる思いをぎゅっと詰め込んだから。

一体何のこと??

そう、先月にスタートしたジュエリーブランド
「ポエティーク」のための包装のこと!

サイトも既にアップしたし、本当だったらもうとっくに決まっているべきものの、
「ま、いいや」の延ばし延ばしでこの始末。
そんなところもなんて自分らしいんだろう。


先日、友人から貰ったmokichiのコーヒー。
“Blend Rouge Blend"と書かれた袋からは
もう既に夢のような良い香りが漂っている。
それにゆっくりとお湯を注ぎ入れたら、さあ始めよっか。

大きくて繊細なプロジェクト。
これがどれだけ重要だと言うことをずっと心の奥で知っていた。

時間をかける作業には必ずそれなりの理由がある。

“おまけ”がもたらすような素敵なサプライズ。
そんな魔法をどうしてもかけてみたくて。

第一幕。
それはお待ちかねの紙選び。

全てのデータをUSBに放り込んでとりあえず身支度し
お決まりの場所でちゃんと腹ごしらえをしたら、
迷わず竹尾ペーパーのショールームへ!

ここに来る時はいつも小雨だ。。
青山の静かな住宅地の中、この雨がこの訪問を
一層厳かな儀式のような気分にさせるのも、
何か意味があったりして。

この静かな空間ではあらゆる種類の紙を手に取れるから
時間がいくらあっても足りない。
ここで一日は過ごせるな。。
静かに夢中、、ってこういうの。

紙は本当に美しい。
色、厚み、触り心地で随分と雰囲気が変わる。
そして、どこまでも想像力を沸き立てる。

う〜ん、これもいいし、あれもいい感じ。


でも何故か手に取るのは全て日本の紙。
「里紙」「みやぎぬ」・・・
それから自分の求める色合い、
それらはやっぱり日本の色にあるらしい。
「古染」「かすみ」「くるみ」「うす鼠」「わら」
日本語の美しい響きをこんな所で口にするのがなんだか嬉しくなる。
きっと、これらの中に魔法を生み出す何かが潜んでいるはず。

そうこうしているうちに時間はどんどん過ぎていき・・
優柔不断な自分を無理矢理押し切って、
とりあえず試作分を手に入れる。
何事も集中力が切れる前に!が肝心でしょ?

アトリエに戻ったら第二幕。

切ったり折ったり、貼ったり重ねたり、
色々とやってみる。
ちょっとグラフィックデザイナーにでもなった気分で、
いつもとは違う感覚を使ってみれば
そこには面白い発見と新しい着眼点が生まれるもの。


試してみたのは、「重ね」。
それは着物のように、日本人の美意識が生み出してきた業。
どこまでも美しいものへの感覚を研ぎ澄ましていく“訓練”のような
なんとも奥深い教養を身につけるような
そんな時間を紙と共にひとり過ごす。

一つ一つの作業に意識を向けることは時間がかかる。
でも、そこには何か深く神聖な時間が流れていて
一瞬一瞬の価値の重さを体感出来るみたい。

そう、時間をかけて選び、練って、挑むことはとても愛おしい。
その途中段階では薄いヴェールに包まれているように
外側からは時に時間が止まっているかのように思われるけれど、
内側では絶えず動いている。

一番良いもの、納得のいくものを生み出したいという思い。

丁寧に、丁寧に。

ゆっくり進めばいいじゃない。
急ぐ必要なんてどこにある??
健やかな達成感はそうやって得られるものじゃないかしら?

自分が描きたい世界に続く細く見えない階段を一段一段、
セメントでしっかりと象っていく。
目に見えないものから「形」あるものへ。

そして第3幕へ。。。

to be continued..






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