7 Jul 2015

Chance is yours.



「This way, please!」

お客様、こちらへどうぞ。

訪れたことのない真新しい場所。
属したことのない環境。
出会ったことのない人々。
同じ言語を話しているはずなのに意味すら通じないような時、
短くて一瞬、長くて1週間程,
自分が宇宙人にでもなった気がする。

年齢を重ねればそれなりにその“違い”を冷静に捉えられるけれど、
やっぱりちょっと気が滅入 ってしまうこともあって・・

「はい、はい、そうなのね。」
って玄人並みなやり過ごしの裏側で、
「オーマイゴーッド!!」
の叫びがあったりもして。

場所においてはどこが入り口でどこが出口なのか分からない。
同じに見えるいくつもの扉の1つを開ければ
そこは行き止まり。
あるいは倉庫。
あるいは身も知らない他人の事務所?!

あららら・・

私ってどこから来てどこに行くのかしら??
「ここはどこ??私はだあれ?」状態。
そんな馬鹿な!
適応能力にだけはいつでも自信があったはずなのに、、

「お客様、こちらですよ〜」

涼しい口調の天の声。
そして、あとはとことこついていくだけ。
ぽかんと口を開いて、ちょっとおバカな子みたいに。

能天気。
無防備。

そんな危なっかしい隙だらけの人間への淡い憧れを
心無しかたまに抱く時がある。
いや、実のところ常に憧れてる。

ゴーストみたいにフワフワと
足跡を残さずに壁と壁の間をするりと通り抜けてみたり、
空っぽになった抜け殻状態の身体に空気を満タン入れて
浮き輪のようにプールにプカプカと浮いてみたり、
笹の葉の船になって小川のせせらぎに身を任せながら
サラサラ気ままに支流を流れていったり、
そんな軽さ。

イメトレしたらそんな風になれるかな?


7月7日、今夜は七夕だし、
いつもとは違うこんな願いをかけてみようか。
この際、笹の葉サ〜ラサラ♫
なんて口ずさみながら、普段は口にしないビールなんて片手に
行方不明の天の川を想像してみる。

笹の葉の船に乗って漂う夜の街。
この東京には星の数ほどの人々。
みんな頭の中は何を考えているんだろう。。

ラッキーな人もいれば、不幸な人もいる。
全てが平等だなんてこのご時世到底思えない。
最近、ちょっとシニカル過ぎるのも問題ね。。

「星」が指すもの。
それには、いつでもポジティブで明るさに満ちた響きがある。

未来、希望、期待、目標、可能性、ひらめき、夢、光、チャンス。

そう、チャンス!

この世の中で全ての人に降ってくるもの。
チャンスなんてそこら中に転がってるって、
優れたアイデアマン達はよく口にするけれど。。
彼らが特別な眼鏡をかけているっていうの?

道路に1枚のイチョウの葉っぱ。
ただ素通りするか、一瞬立ち止まってそれを手にするかはその人次第。
チャンスは誰かがそれを“チャンス”として拾い上げて
何か次に繋げてくれるのをきっと待っている。

(次のコレクションはコレだな!)


雲で覆われた夜空の向こう側。
こんな梅雨の曇り空じゃ、星一つ見つけるのも難しい。
それでもどこかでチラチラと光るものを探してみる。
あ、あそこ!
もしかして飛行機、航空障害灯、まさかUFO?
なんだっていいや。
綺麗だもの。

大きな障害物だと思っていたものが、
ひょっとしたら人生の岐路を変える程の
一大チャンスへと自分を導いてくれるかもしれない。
時には根拠のない期待を持つことの大切さを
“星”の存在がそっと耳打ちする。

「ピンチをチャンスに!」

が今月の合い言葉。

重力に引っ張られて頭も心も垂れてこない内に、
鼻先の向く方角を変えよう。

あぁ、それにしても・・・
こんな梅雨空では天の川はきっと期待出来ないわねぇ。。
あの二人にとってはそれこそピンチ!
会えずにまた来年だなんて。。
そのうち乙姫は皺だらけのおばあさん。

それでも、、、真実の愛はきっと歳をとることはないでしょう。
そんな意味でこのピンチは愛を深めるチャンス、ってことにして。

取り留めのないひとりおしゃべりも
今宵はこの辺りでおしまいにしよ。。

I wish upon the star!